手紙
貴則から手紙が届いた。

あの人の居る所は北海道で、俺はまだ一度も行った事は無いけどここよりかなり北にあるからきっともう寒いに違いない。

はじめてもらった手紙が嬉しくて、何が書いてあるのか少しドキドキしながら封を開けると

手紙なんて何処にも入ってなくて出てきたのは貴則の撮影した写真ばかり。


…何だよこれ?

俺は笑いながらその写真を一枚一枚めくって行く。

あの人の場合、目は口ほどにものを言うっていうか、写真が変わりに今の彼を一番語ってくれる…。


秋枯れの湿原


色付いた山並み


赤く沈む大きな夕日…


こっちはこんなに綺麗だぞって、俺のこと誘ってんだろ?


めくった写真の最後に直接マジックで
「風邪ひくな」って少し左上がりの癖のある文字を見つけた。


これだけかよ?って俺はまたおかしくなる。

あの人は二人で一緒に居るときもこんな感じだった、喋ってるのは何時も俺ばかりで、貴則は笑って俺の話を聞いているだけなんだ。

そんな風に想い出されるのはあの人の優しい笑顔。

そう考えると無性にあの人に逢いたくなる。

側に当たり前のようにあった温もりが、離れて見て初めて大切な物だったって気づくんだ。



逢いてぇよ・・・

やっぱ、いま一番貴則に逢いてぇ…。


今度のバイト代入ったら、奮発して逢いに行ってやるか。


そう荷物を全部まとめて…。


2004/10/27 冬耶

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